ベランダやテラスで行うトマトの育て方はプランターを用いるのが一般的です。トマトは甘くなるように育てるのが難しい作物で、トマトの育て方には多くのコツがあります。
まず、ベランダで最も日当たりが良い場所を選びましょう。トマトは日光に当てることで甘みが出ます。水はけの良さも重要ですので、栽培期間を通じて水のあげすぎには注意しましょう。土に石灰を混ぜて酸性を抑える作業もしておきます。
記事の目次はコチラ♪
トマト栽培の植え付けはいつ?
⇒ トマトの育て方【動画】
植え付けの時期は4月から5月で、その頃になるとホームセンターなどで苗が販売されていますので、葉の色が濃く、葉が多いものを選びましょう。
プランターの大きさや選び方について
プランターでトマトを育てる場合はきちんと合ったプランターを選ぶことが大切です。
【大玉トマトの場合】
トマトは根を深くに張るのである程度深さがあるものが必要になります。大玉トマトの場合、選ぶプランターの目安は40リットル以上の野菜用プランターにしましょう。
植える苗は2株が目安です。たくさん植えたい場合はプランターを増やして育てましょう。
ただし40リットル以上のプランターを土を入れるとものすごく重くなります。女性一人でとなると大変厳しい重さかもしれません。そんな時は半分の大きさで1株植えをおすすめします。
【ミニトマトの場合】
ミニトマトの場合は大玉トマト程の深さは必要ありません。13リットルの一般的なプランターで十分栽培が可能です。ミニトマトの場合はプランター1つに対して3~4株を目安に植えましょう。
またミニトマトの場合は栽培キットとして販売もされています。初めての方などはそういったものを利用するのもおすすめですよ。
美味しいトマトを育てるには土と適した土の量が重要です。頑張って育てても美味しくないとがっかりですもんね。
トマトをプランターで育てる際の良い土づくりの方法
トマトを育てるにはまず土づくりです。土壌が良いとそれだけ美味しいトマトが栽培出来ます。
■土づくりをする理由
ではなぜ土づくりが重要なのかですが、実は土の良し悪しでトマトの成長だけでなく収穫量にも影響が出るからです。土に栄養が十分あると、苗がしっかりと根を張り実に栄養が行き届くようになります。
ただ日本の土の場合、トマトを生育するには向かないので育ちが悪くなります。そこを補助するためにホームセンターなどでトマトに合った土を購入して育ちやすい環境にしてあげることが重要になります。この作業を怠ると美味しいトマトは出来ませんよ。
■良い土づくりの方法
ではトマトにとってどんな土がいいのでしょうか。それは土の状態が弱アルカリ性になっていることです。日本の土は酸性度が高いので不向きなのでポイントを押さえて土づくりを行いましょう。
- 苗付けの2~3週間前から準備をする
- 植えつける土に苦土石灰をまいてよく耕す
- 緩行性元肥を混ぜる
上記の準備をしてから苗付けを行うようにしましょう。
支柱の立て方や注意点について
一つの苗あたり45~60㎝の間隔をあけて植えます。本葉が10枚くらいになってきたら、支柱を立てます。棒の長さは150㎝~180㎝ほどあれば良いでしょう。支柱は深めに刺し、倒れないように固定しましょう。
支柱は苗に沿うように立てますが、このとき茎と支柱を強く結びつけ過ぎないように注意します。そこからトマトが成長してきたら、30㎝くらいに一つくらいの間隔で結び付け、1mくらいの高さに横支柱を通します。
2本の支柱があることで蔓に無理な力が入らず、順調に成長させることができます。
プランターでの枯れない水やりのコツについて
「水を与えないと甘くなる」と言いますが、土を乾燥させすぎるのはよくありません。特に苗付けをしてから2週間ほどは根がまだしっかりと付いていないので注意が必要です。
土の表面が乾いたらたっぷり与えてください。その後は一段目の花が着果するまで、土の表面が乾いたら水をたっぷり与えます。
ただし水を与える前に割り箸などを刺してみて、プランターの中心が湿っているようなら水は必要ありません。
着果して実が大きくなれば水やりの頻度は少なめに。目安は「葉が少し萎れてきたかな?」というタイミングです。たっぷりの水を与えましょう。
「わき芽」のやり方は?
成長するうちに【わき芽】という小さな芽が出てきますが、一番上のもの以外はマメに除去するようにしましょう。除去することでより多くの栄養が果実になる部分に行きわたります。もし主枝が折れた場合は残した一番上のものを育てます。
トマトをベランダで育てる際の注意点
トマト栽培のいい所はベランダでも可能という点です。これなら庭がなくても家庭菜園が楽しめますよね♪そこで注意しておきたいいくつかのポイントをまとめました。
■ 日当たり
トマトは日光が大好きなので日の当たる場所で栽培するようにしましょう。夏の日差しも問題ありませんが西日は避けるようにしてください。
塀や柵がある場合は光の当たり具合が悪くなることもあります。そんな時は日の当たる高さにプランターを置くなどして対策しましょう。直射日光が当たることで実に色がつきます。健康状態も良好になり、失敗も少なくなります。
■ 強風
トマト栽培は風通しの良い場所が適していますが、強風は注意しましょう。
というのもトマトは背が高くなります。すると強風によって茎が折れることもあります。支柱でしっかり支えておくようにしましょう。台風や強風の時はプランターごと非難させるのも手です。
■ 室外機
夏場はクーラーを使いますが、室外機のそばにトマトのプランターは置かないようにしましょう。室外機からは熱風が出ます。すると土が乾燥し、プランター内の温度が高温になります。
もともとトマトは暑さや乾燥には強い方ですが根が傷むおそれがあります。水を与えるタイミングも遅れてしまうことも。他にも病害虫が発生しやすくなります。
梅雨などの雨よけの方法について
梅雨時期になると雨避け対策を行います。でないとせっかくのトマトの実が割れてしまったり、味が薄くなってしまうことも。
プランターの両端に支柱を立てたら、上からビニール袋などをかぶせてあげてください。
葉が枯れる病気以外の原因とは?
頑張って順調に育ててきたはずなのに葉が枯れてしまった…なんて経験はないですか?トマトを育てていると葉が枯れることがあるんですよね。
実は葉が枯れる原因は病気だけではないんですよ。トマトの葉が枯れてしまう考えられる原因を見てみましょう。
①日照不足
トマトは日光がとっても大切です。一日のうち、数時間しか日光が当たらない場合、葉が枯れてくることがあります。ベランダ栽培の場合はよくあることですのでなるべく直射日光が当たるように配置しましょう。
また葉が茂り過ぎている場合も要注意です。裏側など葉が重なっていると日照不足と同じ現象になります。こういうときは摘葉して最適な状態にしてあげましょう。
②風通しの悪さ
風通しが悪いと蒸れて枯れる場合があります。株と株の間が狭いと起きやすい現象です。葉が茂っている場合も風通しは悪くなります。この場合は株間を取って葉を間引くといいですよ。
③過湿
過湿は水の与えすぎや水はけが悪いと起こります。このような状態のままだと根が傷んでしまい葉が枯れてしまいます。
トマトは乾燥した地域の野菜なので過湿が苦手。水をあげる時は必ず土が乾いている状態の時にしましょう。梅雨時期など湿気が多い時期は雨よけなどで過湿を防いでください。
④カリウムの不足
トマトを大きく育てるにはカリウムが必要です。カリウム不足は葉先が傷んできます。施肥で補いましょう。
⑤病気
輪紋病や疫病などの病気の可能性があります。病斑が出ると葉全体に広がり枯れたようになります。病気によっては薬剤を使用することで防除可能ですが、場合によっては止む無く処分するしかない病気もありますので注意が必要です。葉の枯れ具合を見てどんな病気なのか調べるようにしましょう。
⑥害虫
ハダニやアザミウマといった害虫がつくと段々と黄色くなり広がっていきます。よく見ると小さな虫が点々としているのが分かります。放置すれば一気に進行し、株全体の葉に影響が出ます。
⑦生理現象
トマト自身が役目が終わりだと判断することがあり自然に枯れていきます。この場合、だいたい株の下から枯れることが多いようです。脱色したような色(黄色)が特徴です。枯れた葉は他に影響を及ぼすのでそのままにせずに取るようにしましょう。
⑧寒さ
寒さに弱いので霜にあたるなどで枯れてしまいます。育て方、環境により異なりますが1~2月ごろには枯れてしまうようですね。
肥料過多の対策や与え方は?
トマトは肥料を大量に与えてはいけません。この場合葉や茎ばかりが成長してしまって肝心な実が育つ前に落ちてしまうことがあります。つるボケといい、トマトはつるボケしやすい野菜です。元肥は控えめにし、成長の途中で追肥する。これを繰り返して肥料切れを防ぐことが大切です。
与える肥料についても窒素が多いものばかりではいけません。窒素が多いとつるボケを起こしやすくないますので、リン酸とカリが多いものを与えてください。最近ではトマト専用の肥料も販売されているのでこちらを使うと便利ですよ。
肥料を与えるときは根に触れないようにすることが大切です。元肥も追肥もトマトの根に触れると根が傷みます。20~30cm離して入れてください。
プランターの場合、苗付け後はしばらく追肥は不要です。一段目の実が大きくなった頃に追肥を開始しましょう。追肥の頻度には肥料の種類で異なります。液体もしくは化成肥料の場合は即効性があるので最初の追肥から2週間ごと、を目安にしましょう。
収穫の時期やタイミングは?
そして7月から8月にかけて収穫の時期を迎えます。トマトが夏野菜であるのはこのためです。トマトは青いうちに収穫し、赤くなるのを待つ方法もありますが、プランター栽培では量が少ないので、赤くなってから収穫するのが良いでしょう。